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フルミストについて
2024年10月より第一三共株式会社から国産のインフルエンザ点鼻剤の弱毒生生ワクチン「フルミスト」が発売されました。
2003年にアメリカで承認されて以来、10年以上にわたる安全な使用実績があり、2011年からはヨーロッパでも使用が認められています。
「フルミスト(FluMist)」は、インフルエンザの生ワクチン(弱毒化されたウイルスを含む)の一種で、鼻から投与されるタイプのワクチンです。弱毒化されているため、病気を引き起こす力がほとんどありません。フルミストに含まれるウイルスは、25℃の低温で増殖することができますが、比較的高温な下気道(気管支や肺)では増殖できないため、インフルエンザのような強い症状を引き起こすリスクが低いとされています。
これにより、鼻などの上気道で軽い反応を引き起こしながらも、体全体への重い影響を避けつつ、効果的に免疫を獲得できる仕組みになっています。
メリット・デメリット
メリット
- 鼻スプレーなので、痛くない
- インフルエンザは鼻や喉から感染するため、フルミストはその部分で免疫を作り、効果的に発症を防ぐことができる
- 流行するインフルエンザ株が予防接種の株と違っても、皮下注射のワクチンとは違い、フルミストは効果が期待できる
- 効果は1シーズン続き、不活化ワクチンよりも持続期間が長く、約1年間効果が持続するとされている
- 小児で特に予防効果が高いとされている
- 12歳以下の子どもでも年1回の接種でよい
デメリット
- 30~40%の人で接種後3日~7日までに咽頭痛・咳・鼻汁・鼻閉などの感冒症状が出ることがある
- 接種年齢に制限がある
- 鼻炎のひどい方は接種できない
接種対象者・接種回数・金額などについて
【接種対象者】
2歳~18歳まで
【接種回数】
1回
【フルミストを接種できない方】
- 2歳未満、19歳以上の方
- 重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
- 5歳未満で喘息の既往歴がある方、または重度の喘息の既往歴がある方
- 卵白やゼラチンなどのワクチン成分に対して重度のアレルギーやアナフィラキシーの既往がある方
- アスピリン、ボルタレン、ポンタールを服用中の方
- 免疫力が極端に低下している方、またはそのような方と同居されている方
- 妊婦、または2歳未満の小児と同居されている方
- 妊娠していることが明らかな方
- 明らかな熱(37.5度以上)がある方
- 鼻炎のひどい方
- 小学生未満で熱性けいれんの既往がある方
- 4週間以内に他の生ワクチン(水痘、MR、おたふくかぜワクチンなど)を接種している方
- 上記以外で、医師が不適切と判断した場合
【接種金額】
7,000円(税込)
【フルミスト点鼻薬予診票】
予防接種される方は、下記予診票をダウンロードして事前に記入しご持参いただくと院内での待ち時間短縮につながります。
点鼻方法(動画)
CDCによる説明です(英語)